古民家の宿を撮影|建築写真のライティングと撮影現場

先日、古民家のお宿 えるみさんの撮影に兵庫県赤穂まで行ってきました。

建物そのものがとても美しく、館内のインテリアもまるで美術館のよう。置かれている家具や小物までひとつひとつに存在感があり、撮影していてもとても楽しい空間でした。

建築撮影は久しぶりだったのですが、今回のような古民家は、一般的な住宅やホテルとはまた違った難しさがあります。

古い柱や梁、壁などに濃い色の木材が多く使われているため、光がかなり吸収されます。

自然光だけで撮影すると、明るい部分と暗い部分の差が大きくなり、どうしても室内の奥が落ちてしまう。かといってストロボやLEDを強く入れると、今度は「ここにライトを当てました」という人工的な光になってしまいます。

今回は、空間に元々ある光をできるだけ活かしながら、暗く落ちてしまう部分を少しずつ持ち上げることを意識しました。

持ち込んだのは、LED600を2灯、ストロボ3台、小型LEDを2灯。

3人で機材をたくさん持ち込み、場所やカットに合わせて光を組み替えながら撮影しました。

特に難しかったのは、光を「当てる」というより、光を「馴染ませる」こと。

建築撮影では、ライティングそのものが目立ってしまうと、せっかくの空間の雰囲気が変わってしまいます。

どこから光が来ているのかが分からないくらい自然だけれど、写真を見るとちゃんと室内の情報が見えている。

そんな状態を目指して、光の強さや方向、反射する場所などを見ながら、一灯ずつ調整していきました。

今回、初めてお会いしたデザイナーさんから、

「本気のカメラマンが来てくれて、ビビりました!」

と言っていただいて(笑)、ちょっと嬉しかったです🥹

たしかに、写真撮影というと「カメラを持ってきて、カシャッと撮る」というイメージを持っている方も多いと思います。

今回は3人でたくさんの機材を持ち込み、1室を撮影するのにしっかり時間をかけてライティング。

もともとは「1室1時間」という予定を組んでいただいていたのですが、実際に撮影の様子を見ていただくことで、なぜそのくらい時間が必要なのかも納得していただけたようでした。

実際には、LED600を2灯、ストロボ3台、小型LED2灯を持って行っても「もう少し光が欲しい」と思う場面もありました。

建築撮影は、カメラだけでその空間を写し取るというより、実際にその場にある光を読みながら、足りない部分だけを補っていく作業。

人物撮影とはまた違う、空間を相手にしたライティングの面白さを改めて感じました。

今年の年末には、こちらの旅館のサイトも公開される予定です。

その際には、今回撮影した写真も少しご紹介できればと思います。

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